第21回 認知神経リハビリテーション学会学術集会

学会長挨拶

 昨年5月,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を鑑み,2020年10月に開催予定であった第21回学術集会を1年後に延期させていただきました.しかし,現在も感染拡大のリスクは続いており,現地開催できるかの見通しが立ちにくい状況です.そこで,開催形式について慎重に検討を重ねてきた結果,今回はオンライン(WEB)で開催することに致しました.今回の決定を,「やむを得ず」と捉えるのではなく,新しい学術交流の形式を進化させるチャンスと捉え,WEB開催の利点を活かした新たな学術集会のあり方を考えております.
 講演やシンポジウムなどは,ライブ配信と会期後のオンデマンド配信を,一般演題は,事前にご提出いただいた発表データのオンデマンド配信を予定しております.また,昨年予定していたプログラムに加え,基礎的な知識が学べるプログラムや,昨年12月にご逝去されたCarlo Perfetti先生の追悼プログラムも計画しています.なお,会期は2021年10月24日(日)の1日開催とし,参加費は例年よりも低価格に設定しました.たくさんの方にとって参加しやすく,そして参加者との交流や議論が促進されるように準備を進めて参ります.プログラムやWEB開催の参加方法など,詳細が決まり次第,ホームページにてご案内させていただきます.

 さて,今回の学術集会のテーマは「We-mode cognition -新たな運動学習の視点と臨床展開をめぐって-」です.We-modeとは,“われわれ感”や“一体感”といった他者と双方向的に相互一体化しているときの認知モードです.人間は,“われわれ”としての意識を持つことで,ある共同の目標のために他者と同調したり,自己を抑制したりと調整し合うことができ,We-modeの成立は,学習の効率を高めるとも考えられています.リハビリテーションの臨床も,対象者とセラピストが認知プロセスや意思決定,目標設定などを共有しながら行う共同行為であり,We-modeが関係します.We-modeという一つの社会性認知について理解を深めることで,社会生活を送るための様々な行為や,対象者とセラピストとの関係性(相互作用・対話)を見直し,新たな臨床展開の可能性について考える機会にしたいと思っております.

 COVID-19の影響で他者や社会とのつながり方が変わろうとしている今,初のWEB開催を通して,そして「We-mode cognition」をテーマに,改めて「人間同士のつながりとは何か」を考え,リハビリテーションの進歩へと導く学術集会にします.皆様のご参加を心からお待ちしております.

第21回認知神経リハビリテーション学会学術集会
学会長 河野正志(五条山病院)

事務局

第21回認知神経リハビリテーション学会学術集会事務局
〒781-0270 高知県高知市長浜6012-10
高知医療学院内 一般社団法人認知神経リハビリテーション学会
E-mail:syukai-21@jsncr.jp

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