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認知神経リハビリテーションにおける「認知運動療法から行為間比較へのパラダイム転換」は大いなる冒険である。そのため、当学会内においても『行為間比較』についてこれまで何度も論議してきた。しかしながら、認知神経理論、臨床手続き(観察やプロトコル)、訓練展開などについての理解と実践は未だ不十分なままである。そして、その理由は、患者が自己経験(一人称)としての「過去の行為の記憶」を想起し、選択し、「現実の行為」や「訓練としての行為」と比較することの重要さを、その”価値”と”意味”と”可能性”を、セラピストが理解することが困難だからと思われる。
このセラピストの困難さを解き放つためには、「認知とは、知ることである」という定義から、「認知とは、記憶から予測することである」という定義に変える必要があるように思う。記憶は単に過去の時空間に向かう「矢」ではない。記憶は「時間旅行(タイムトラベル)」であり、過去の行為を思い出すだけでなく、未来の行為を思い描くことに使われる。記憶は未来の時空間に向う「矢」でもあるのだ。つまり、人間は「過去の行為の記憶」を想起することで、「未来の行為をシミュレーションする」ということだ。それが脳の機能回復の核心だと思う。
今回のアカデミアでは、冒頭にそんな考え方を提示した上で、より臨床的に、より実践的にアップデートした「行為間比較」の治療方略のポイントを再確認する。また、今年の6月にサントルソ認知神経リハビリテーションセンターで討議が始まった、最新の「歩行(bipedal motion)の行為間比較」についての新しい仮説を提示する。そこから、行為間比較の”価値”と”意味”と”可能性”が明確に見えてくるはずである。人間のリハビリテーションの研鑽に励む者が、共に勉強し、論議して、行為間比較の困難さを乗り越える一日にしたいと考えている。全国から御参加の程、よろしくお願い致します。
日時 | 2019年8月17日(土) |
会場 | 大阪・港区民センター(大阪府大阪市港区弁天2丁目1−5) |
対象 | 認知神経リハビリテーション・アドバンスコース修了者 |
定員 | 80名(定員に達し次第締め切り,先着順) |
受講料 | 5,000円
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受付開始日 | 2019年6月1日(土) |
宿泊 | 各自手配のこと |
講師 | 宮本省三(高知医療学院) 園田義顕(高知医療学院) 奥埜博之(摂南総合病院) 内倉清等(リハビリ特化型デイサービス繋) 平谷尚大(高知医療学院) 濱田裕幸(文京学院大学) |
申込方法 |
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問合せ先 |
高知医療学院 八坂一彦 E-mail:jimukyoku@jsncr.jp
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主催 | 一般社団法人認知神経リハビリテーション学会 |
2019年8月17日(土) | |
[行為の予測・比較・記憶] | |
10:00-10:50 |
講義1)認知神経理論:認知運動療法(ETC)から行為間比較(CTA)への変遷(宮本)
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11:00-11:50 | 講義2)行為の空間と記憶〜行為間比較の神経科学と身体論(園田)
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12:00-12:50 | 講義3)観察・訓練・検証における比較の用法(濱田)
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12:50-13:40 | 昼食 |
[行為間比較の実際] | |
13:40-14:40 | 講義4)行為間比較のプロトコル(平谷)
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14:50-16:20 | 講義5)観察から改善すべき行為の選択まで(内倉・平谷・全講師)
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16:30-18:00 | 講義6)訓練の選択から最終評価における検証まで(内倉・濱田・全講師)
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18:00-18:30 | 軽食 |
[行為システムにおける“両足の行為”] | |
18:30-19:20 | 講義7)bipedal motionの神経科学(奥埜)
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19:20-20:30 | 講義8)bipedal motion:これまでの問題と新しい仮説(全講師)
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