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アカデミア

第11回認知神経リハビリテーション・アカデミア

終了しました

 認知神経リハビリテーションにおける「認知運動療法から行為間比較へのパラダイム転換」は大いなる冒険である。そのため、当学会内においても『行為間比較』についてこれまで何度も論議してきた。しかしながら、認知神経理論、臨床手続き(観察やプロトコル)、訓練展開などについての理解と実践は未だ不十分なままである。そして、その理由は、患者が自己経験(一人称)としての「過去の行為の記憶」を想起し、選択し、「現実の行為」や「訓練としての行為」と比較することの重要さを、その”価値”と”意味”と”可能性”を、セラピストが理解することが困難だからと思われる。
 このセラピストの困難さを解き放つためには、「認知とは、知ることである」という定義から、「認知とは、記憶から予測することである」という定義に変える必要があるように思う。記憶は単に過去の時空間に向かう「矢」ではない。記憶は「時間旅行(タイムトラベル)」であり、過去の行為を思い出すだけでなく、未来の行為を思い描くことに使われる。記憶は未来の時空間に向う「矢」でもあるのだ。つまり、人間は「過去の行為の記憶」を想起することで、「未来の行為をシミュレーションする」ということだ。それが脳の機能回復の核心だと思う。
 今回のアカデミアでは、冒頭にそんな考え方を提示した上で、より臨床的に、より実践的にアップデートした「行為間比較」の治療方略のポイントを再確認する。また、今年の6月にサントルソ認知神経リハビリテーションセンターで討議が始まった、最新の「歩行(bipedal motion)の行為間比較」についての新しい仮説を提示する。そこから、行為間比較の”価値”と”意味”と”可能性”が明確に見えてくるはずである。人間のリハビリテーションの研鑽に励む者が、共に勉強し、論議して、行為間比較の困難さを乗り越える一日にしたいと考えている。全国から御参加の程、よろしくお願い致します。


日時 2019年8月17日(土)
会場 大阪・港区民センター(大阪府大阪市港区弁天2丁目1−5)
対象 認知神経リハビリテーション・アドバンスコース修了者
定員 80名(定員に達し次第締め切り,先着順)
受講料 5,000円
  • 18日(日)には、同会場にてクリニカル・カンファレンスが開催されます。両日参加可能ですので参加希望の方は申し込みフォームより申請してください。
受付開始日 2019年6月1日(土)
宿泊 各自手配のこと
講師 宮本省三(高知医療学院)
園田義顕(高知医療学院)
奥埜博之(摂南総合病院)
内倉清等(リハビリ特化型デイサービス繋)
平谷尚大(高知医療学院)
濱田裕幸(文京学院大学)
申込方法
  • 参加申し込みフォームに直接お進み頂き「イベント申込」より、お手続きください。受付を終了しました。

web申込み

問合せ先 高知医療学院 八坂一彦
E-mail:jimukyoku@jsncr.jp
  • 問い合わせは必ずメールにてお願い致します。
  • 件名を「アカデミアについて」としてください。
主催 一般社団法人認知神経リハビリテーション学会

プログラム【PDF

2019年8月17日(土)
[行為の予測・比較・記憶]
10:00-10:50 講義1)認知神経理論:認知運動療法(ETC)から行為間比較(CTA)への変遷(宮本)
  1. 「行為」の条件と「行為間比較」の条件
  2. 「比較」と「関連付け」による情報統合の必要性の探索
  3. 行為における「三人称的認知」と「一人称的認知」
11:00-11:50 講義2)行為の空間と記憶〜行為間比較の神経科学と身体論(園田)
  1. 多感覚統合と行為の全体性/拡張性/複合性
  2. 「行為の記憶」「行為の想起」「行為の空間」
  3. 「比較器官」としての脳
12:00-12:50 講義3)観察・訓練・検証における比較の用法(濱田)
  1. 行為間比較に関わる用語
  2. 各場面における比較の意味
  3. 両手の行為からみた情報メカニズムの考え方
12:50-13:40 昼食
[行為間比較の実際]
13:40-14:40 講義4)行為間比較のプロトコル(平谷)
  1. 道具としてのリハビリテーションカルテ
  2. 「観察」「訓練」「最終評価」の各パートの意味と臨床思考プロセス
  3. 「いつ」「何を」「どのように」比較するか
14:50-16:20 講義5)観察から改善すべき行為の選択まで(内倉・平谷・全講師)
  1. 「自発的行為」「要求された行為」「報告された行為」の観察と難易度
  2. 自覚の改善と行為の改善可能性
  3. 「どのように」改善すべき行為を選択するか
16:30-18:00 講義6)訓練の選択から最終評価における検証まで(内倉・濱田・全講師)
  1. 「どのように」訓練を選択するか
  2. 「訓練の名称」「訓練のテーマ」「訓練の内容」
  3. 比較による「関連性(類似と差異)」の探索と行為の改善のための統合と拡張
18:00-18:30 軽食
[行為システムにおける“両足の行為”]
18:30-19:20 講義7)bipedal motionの神経科学(奥埜)
  1. 行為の意図・予期・志向性の理解のための両足の行為
  2. 両足でなければ構築されない情報とは何か
  3. 両足と他の身体部位と外部世界の相互作用
19:20-20:30 講義8)bipedal motion:これまでの問題と新しい仮説(全講師)
  1. 両手で物を取る・置く、靴を履くために足を組む、〜のために立ち上がる、〜のために歩く…
  2. 患者の両足の行為の特徴とその解釈
  3. 新しい仮説と新しい訓練の提案

過去の認知神経リハビリテーションアカデミア情報についてはこちらをご覧ください。

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