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第24回認知神経リハビリテーション学会の基調講演『脳のなかの行為 −予測する脳、運動イメージから行為イメージへ』は、あいみょんの「君はロックを聴かない」を「君は認知を聴かない」に変えて話始めた。おそらく、笑いがあったので比喩の意味が通じたのだろう(受けた?)。
しかし、講演の最後の「認知問題+行為選択問題=回復」という図式は、「・・・・・」という感じだった。おそらく、笑いがなかったので差異の意味が通じなかったのだろう(受けなかった?)。
要するに、17歳の僕が一生懸命に彼女にレコードを聴かせても、「君はロックを聴かない」という悲しい状況だったということだ(過去のエピソード想起)。
そこで、2枚のスライドを追加しておきたい。もう、手遅れだが、その意味や差異が通じないと、皆んなに(個人的にはペルフェッティ先生に対しても)、新たな「訓練」を提案した“驚き”が生まれない。
当然、どちらも閉眼で知覚探索して解答する。「行為選択問題(action selection
problem)」では現在の体性感覚(触覚や運動覚)の状況から、過去の行為イメージ(運動イメージ)の想起を求めている。脳に一人称の「メンタル・タイム・トラベル(心的時間旅行)」を求める。訓練のバリエーションも日常の道具使用を考慮して色々と工夫できる。
そして、「行為選択問題」は現在の体性感覚の状況から「行為の可能性(アフォーダンス)を選択させていることになる。つまり、その選択は「記憶のなかの行為(行為のシミュレーション)」なのである。
また、「行為間比較」では、「行為選択問題(訓練)と過去の行為(一人称のエピソード記憶)」の比較を加えるといいだろう。
クラークは『心(予測マシン)は感覚の到来を予測するように進化した』と言っている。
『感覚の刹那(一瞬)が未来の行為を生成している』のだ。
久しぶりの高知、初めての高知、皆さん遠路ありがとう。
また、来年の大阪学会で再会して論議しよう。
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